1930年代から今日までの北欧家具を振り返ると、大きく二つの系統に分けることができます。1つはイギリス的な高級家具で、マホガニーやローズウッドを使う職人技を必要とする古典的な中に近代性を含んだデザインの椅子。もう1つは、量産の中にも合理的な構造と美しいフォルムを実現した家具で、庶民に使ってもらうためにできるだけ単純化し、価格を抑えたデザインの椅子です。
後者の家具は、素朴さを残しながら、工法などが合理的に考えられていたので、アメリカやドイツのデザインとはひと味違うものとして認知されました。その特徴は、生産性優先ではなく使い手主体に考えられた人間の感覚が伝わるデザインで、J39はこうした流れをつくった代表的な家具のひとつなのです。
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